父のこと~その14~

2018年8月9日

スポンサーリンク

※別ブログから記事を移動しました。 2011年のことで、覚書として載せておきます。

念願叶って、父をお風呂に入れることができました。

ストレッチャーに乗せるのも看護師さん二人がかりで乗せます。
生きていれば少しでも重心を移動してくれるのが死んでいるので体が重い。

乗せるときもドシン!と乗せる感じで、もし生きていたら

「痛い!」

って言っていただろうなぁと思いながら見守っていました。

前日に院内を案内されたお風呂場に行き、
自動でお風呂につけてくれるすのこベッドのようなものに
移動してお風呂に入ります。

たっぷりのお湯。

寝たまま全身つかれます。

「よかったねぇ・・よかったねぇ・・」泣きながらお湯をかけました。

お湯につかるだけと思っていたら、看護師さんはシャンプーをしてくれています。
顔にも洗顔をして、髭まで剃ってくれました。

最後に自動でベッドがお湯から上がり、
家族全員で体をきれいに擦りました。

全身綺麗になりました!

看護師さんは父にドライヤーをかけてくれます。
本当に何もかも希望通り以上のことをしてくださいました。

病室に戻ると親戚、父の妹さんが待っていました。

「綺麗になってよかったねぇ」

「あら?黄疸が少し薄くなってない?」

血行がよくなったからでしょうか?それとも違う理由?

また、看護師さんは死後硬直も体が温まっているので
また時間もずれるとと言っていました。

綺麗な浴衣に着替えさせて貰い、死に化粧をします。

顔にクリームを塗り・・ファンデーション、口紅、ほほ紅・・・

その姿はまるで演歌歌手のようでした。
「うわ、イケメンじゃん。父さん」

そして、最後に手を組み、花を胸に乗せます。
しかし、腹が出ているからか?手がずりおちます。
「指をくませますか?それとも乗せたままにしますか?」と言われたので、

「ただ、眠ってるだけにしたいので、手を胸に置くだけにしてください。」
と伝えました。

死に化粧の時まではただ、眠っているように見えたのですが・・
胸に花を置くと、いきなり「死体」に見えました。

これが悲しくて悲しくてまた号泣してしまいました。

母と姉は葬式の話をしています。
母が「もういい加減、泣きやみなさい」といいます。

これには腹が立って

「はい、そうですかで泣きやめるのか!これは嘘泣きか!」

・・・と怒鳴りあげました。
まぁ、母とはいつもこうなので

周りが笑うから○○をやめなさい・・

これが口癖なので嫌いなのです。

死体となった父にすがりながら、しばらく泣いていました。