父のこと~その15~

2018年8月9日

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※別ブログから記事を移動しました。 2011年のことで、覚書として載せておきます。

やっぱり2ヶ月以上経つと忘れちゃうものでいくつか何かが抜けている

胆汁を取るために体に入れたチューブも抜いて、きちんと縫い合わせたこと。
点滴など針も全部抜いたこと。
これで自由になれた。
(父がチューブを引き抜こうとするし、寝返りに邪魔だった)

末期のすい臓癌と分かって1ヶ月と少し。
苦しんだ時間は短かった?

でも、最後までケンカしちゃってごめんね。

でも後悔はしていない。これが私なんだもん

これで、葬式→帰省ですんなり終わるはずなのですが、
ここからがまた大変だった。

父を葬儀屋の車で家に連れて帰ります。

私と姉は荷物をもって姉の車で実家に向かいます。
途中、看護師さん、主治医が玄関に並び、礼をしてくれていました。

私は主治医にお礼を言い、そして父のことを知っている看護師さん
(一番お世話になった看護師さん)を見つけて話しました。

「父がうち(実家)の線路の向こうにある散髪屋の娘じゃないかと言っていましたが・・」

と伝えると、「そうです!」とのこと。

怒鳴る父と、普通に戻る父の狭間で上記のような会話ができましたと伝えました。

1日しかいなかったけど、本当にお世話になりました。

トイレに行きたいという希望、外に出たいという希望・・かなえてあげられる
ことは少なかったけど・・
この緩和ケア病棟で最期を迎えられて本当に良かったと思います。

帰り道に、今までいた総合病院の前を通りましたが主治医を
思い出して チッ(・д・) って言っておきました。

あなたは家族のことを何もわかっていない。
まして、私の気持ちなんてわかるはずもない。

「お母さんがいるからそれでいいじゃないですか」

いいわけないじゃない!!
両親ともほとんど交流ないのに今更、母がいたってどうなるというのか。

なんてことをムカムカ思い出しながら実家に向かいました。

仏壇の前に布団を敷き父が寝ます。
そして上半身にドライアイスを敷き詰めます。(かなり大きなブロック)
その上に布団を敷いて顔に白い布をかぶせました。

白い布は、はずしても良いとのことだったのではずしてもらいました。
(かぶせると死体に見えるので、自然に寝ている姿にしたかった)

葬儀屋さんと母と姉が打ち合わせをします。
お寺さん(お坊さん)が来てお経を唱えて帰りました。

あともう少しすると、親戚達が集まってきます。
本当なら通夜なのですが、確か友引だったような?
その関係で仮通夜で家に帰られることができました。

これも父が「家に帰る」との願いが叶ったことになります。
普通ならすぐに葬儀屋の部屋で通夜をするらしいのですが・・

家に帰ってこられて本当によかった。

さて・・あとしばらくすると親戚たちが実家に集まってきます。

親戚達は母がいろんなことを吹き込んでいるので私は
フルボッコにあうこと間違いなし
母は外面よく、私の前では褒めるが外には悪口いいまくりでした。
親戚からの年賀状でお叱りの言葉をもらうこともあって外で何を言って
いるんだろうと思いました。

早く実家から立ち去ろう。父を看取るだけが帰省理由だったから。

姉に「私・・葬式でないから」と伝えると

「ああ、かぼすちゃんはそうだよね。止めてもムダだよね」

でも、行くところがないのよ。
父が死んだことを(元)旦那に伝えると実家に向かってくれたけど、
その日の関東には台風来ていて暴風雨の中、一人運転しているので
到着は夜中の3時になるらしい。

姉ちゃんの家にはだれかいるのかな?と言うと、姉ちゃんの旦那がいると。
あー・・どこに行こうかなーーと悩んでいると

「疲れた~っ。頭いたい・・、じゃ、元気でね~」

ゴロンと寝てしまいました。

姉に頼ろうとした私がばかだった。
(今思うと甘えるなって感じですが)

そして高校時代の友達に電話しました。
「会えるかな~?」と電話するけど、心の中では
「迎えにきてくれるかな」という甘えた考えでした。

やはり子どももいて、親と同居で
「電車で乗り継いでこれる?」と言われて
私、電車一人で乗れないんです。乗り換えの仕方がわからない!
しかも、うちの駅ってば数時間に一本しか出てない。

その時間で親戚が集まって来ちゃうので
「あ、ごめん・・・。いいや・・ごめんね!」で
電話を切り荷物をまとめてとりあえず家を出ました。

玄関に母がいて「私、葬式でないから」といって出て行くと

「かぼすちゃん・・・なんでよ~・・・。」

とは言っていましたが、止めもせずそのまま家に入っていきました。

母と姉のいつもの行動ですので今に始まったことではないし。

数日分の着替えの入ったバッグ(大)
ノートパソコンのバッグ(重い)
千羽鶴など入ったバッグ(大)
肩掛けバッグ(地味に邪魔)

を持って実家を出ました。