父のこと~その11~

2018年8月9日

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※別ブログから記事を移動しました。 2011年のことで、覚書として載せておきます。

緩和ケア病棟に移り、レントゲンを撮るというので別室に移動かと思いきや、
機械を病室に持ち込みその場で撮影です。
腰を浮かせて背中に板を入れて撮影ですが、
父はまだ腰を浮かせることが出来たので、介助なしに撮影できました。
病室でレントゲンすごい!

そして、主治医がやってきて、挨拶をします。

酸素吸入は外せないけれど、夜の間は点滴をはずす。
高カロリーの点滴は24時間しなくても良いだろうとのこと。
カテーテルも外してもOK。また、不便があってまたつけると
いうこともOK。

ここまで希望を聞いてくれるなんて・・。

父がまた「トイレに行きたい」というので
看護師さんにポータブルトイレを持ってきてもらいました。
起き上がるのは私が引き起こす。
滑らすように向きを変えて足をおろさせ、立たせる。(立った!)
その場で向きだけかえてポータブルトイレに腰掛ける。

いきむ父。

ほとんど食事を摂っていないので出ないかと思いきや!
形のある便がでていました。

しかし体力を使い果たし、息切れし

「・・・もうおむつでいい・・・」(ポータブルトイレはいらない)

と言いました。
でも、自分でわかってくれたらいいかな・・・と。

しかし!これからまた「トイレに行く」をエンドレスで言うのでした。

さっき、もうダメだって言っていたのに
立たせて、疲れて寝るを何度も何度も何度も何度も繰り返します。

そして、今の病室に水道とトイレが付いていることを知り、
「そこのトイレに行く」と何度も言います。
「顔を洗う」と、洗面所に行くと何度も言います。

顔はタオルを濡らし、拭いてあげました。(母かな?)
その時は「気持ちがええのお。」と言っていましたが、
また「顔を洗う」と何度も繰り返します。

18日に来たときは意識も朦朧で、寝てばかりだったのに
19日過ぎてから起きてる時間も多くなり、同じ事を
繰り返し言ったりして様子が変わってきていました。

痴呆症のような感じがひどくなっているみたいで
(祖母も痴呆症で「魔女が靴下盗っていった」「蛇が出る」と
言っていましたが)
父の場合は、最期が近くなると出る症状のようです。

また一つ、困ったことが・・・

前の病院でもエアーベッドでした。
今回もエアーベッドですがかなりやわらかめのベッドです。
古い人なので「固い布団がいい」と言います。

「床に寝られんのか」
それは無理!

なんか文句やわがままが多くなって来ています。
みんなを困らせることを言ってばかり

母が「今日は寝ないのねぇ?」と言うと

「○○(私の息子)が寝かせんわぁや」と

満面の笑みで言います。

私を息子と勘違いしている?

「失礼な私は、かぼす!!娘でしょ!」

ちょっと怒って言ってみると

「・・・・???かぼす???」(誰?的な)

がーーーーーーーん!!

私が誰かわかってない。
いろいろなことがごちゃごちゃになっています。

しかし、しばらくして母が「これ、誰?」というと

「ちっ・・・・バカにするなや、かぼすやろが」と元に戻ります。

・・・よくわからない。 父であり、父ではなく・・・
要望から怒りに変わってきます。

「いや、トイレに行きたいっていうのに、どーーして、行かせない」

「もう、ホント頼むから行かせてくれえや」

怒鳴ります。

昔のトラウマもあり、(父の怒鳴り声は苦手)

私も泣きながら

「行かせたい!!出来れば行かせたいよ!!!!でも、歩ける?
立てる??立てないでしょ??
無理したらそれだけ体力を消耗する!!
父さん、それで死んじゃうかもしれなんだよ?
私、死なせたくないからここに転院したのに、父さんがそんなんじゃ
治るものも治らない!!」 (ちょっと曖昧・・)

と伝えました。

怒っていた父は、ぽかーーんとしておとなしくなりました。

・・・が またしばらくして

「トイレに・・・」と言います。

看護師さんに「○○さん、今日はお疲れだろうから、ゆっくりしてください」と
言ってもらうと

「はい。わかりました」

と聞き分けがいい。
・・・が、看護師さんが部屋を出るとすぐに起き上がろうとして
「トイレに・・・」・・・もうきりがありません。

でも、何度も何度も・・起き上がらせては寝かせて、
言い聞かせてはなだめて・・・何度も何度も何度も何度も。

それは全然苦じゃありません。
何度でも聞いてあげるつもりでした。
でも、つい数時間前まで「ごまかせていた」のがごまかせなくなっていました。

「それはさっき聞いた( ̄□ ̄;)!!」

烈火のごとく怒る父。

私も大人げなく父と言い合いを始めました。