父のこと~その12~

2018年8月9日

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※別ブログから記事を移動しました。 2011年のことで、覚書として載せておきます。

仮眠を取った私は父に付き添います。朝4時過ぎ。

ここの病院の看護師さんは1時間ごとに見回りに来ます。
そのたびに私は「寝ませんね」と口パクで看護師さんに伝えて終了です。

父は転院してきてから30分しか寝てない。
ずっと起き上がろうとし、「トイレ」「風呂」「帰る」の繰り返し。

確かに転院前の病院でこの調子だったら拘束されるでしょう。
でも、私がいることで拘束されないのであれば
短い睡眠時間でも大丈夫な自分が看てあげればいい。

こんな時、過眠と不眠を繰り返すこのリズムに感謝したことはなかった。
テンション高かったあの時、寝なくても大丈夫だった。
初めて長時間、両親と一緒の空間にいた。
最初で最後の時間だった。

母は2時間半くらいで起きてきた。
父に「ヤクルト飲む?」と聞いて
「飲む・・・」と、父はヤクルト1本飲みました!

少し落ち着いているようなので、病室にあるシャワーで少しの浴びようと、
着替えを持ってドアに手をかけたところ
7時の見回りに看護師さんがやってきました。

父は少し大人しくなって、寝ていました。
それを見た看護師さんが・・・

「すみません。ちょっとよろしいですか」

と、外に出るように促されました。
同時に携帯が鳴り、姉とわかったのですが出ることが出来ずに電源を切りました。

なんだろう?と外に出てみると、

「足に編み目のような模様が出ているのは、
危ない状態の時に出るものです。」

え・・・?
これは昨日も出ていた模様で、何だろう?って思っていたのですが
今朝はさらに広がっていた。

急いで姉に電話して

私「父さんが危ないから、すぐに来て!!!」

姉「ええ?わかった、すぐに行く!」

そして、(元)旦那にも電話して、「父さんが危ないって」と伝えました。
平日なので(元)旦那は会社、子ども達は学校。
とりあえず伝えるだけはしました。

まだ信じたくなかったから!

なぜ?さっきまで元気でヤクルトも飲んだよ?
「おはよ」って言ったら「おはよう」って返してくれたよ??

なんで?横になったまま、「ぜっ、ぜっ、ぜっ、ぜっ」って細かい息で
目を開けないよ?
看護師さんが言ってくれなかったら、私気付かずに
シャワー浴びてのんびりしてたかも???

いきなり時間が急速に流れ始めました。

「お父さん!!お父さん!!」

呼びかけに反応しません。

20分ほどで姉が到着しました。

間に合った!よかった・・。

姉も「お父さん、お父さん!」呼びかけます。
母が「姉ちゃんが来てくれたよ。目を開けて!」

というと、うっすら目を開けました。

主治医がやってきて、

「最期まで声は聞こえています。話しかけてあげてください」

と言います。

私は「お父さん!お父さん!ごめんなさい、大好きだったのに!」

・・・ほとんど一緒にいる時間ってなかったね。
寂しかったんだよ。

トラウマだけが残ってしまって良い印象がなかった。

あまりに私が号泣して叫ぶものだから主治医が

「落ち着いて・・もう少し小さく・・」と言っていました。
いや・・止まらなかった・・

父は「ぜっ、ぜっ、ぜっ、ぜっ・・・・・・・・」

そのまま永遠の眠りにつきました。