父のこと~その13~
※別ブログから記事を移動しました。 2011年のことで、覚書として載せておきます。
父の最期を見送ってから
主治医と、看護婦さんは部屋を出て行きました。
家族の悲しみの時間を作ってくれていたのかな?と
今考えるとそう思えました。
私は泣きながら、ベッドを窓側に移動させます。
広い窓。そのままベッドを外に出せるくらいの窓。
父は外に出たがっていた。
前日の雨とはうってかわって晴天だった。
青空に、海が見える病室。
「父さん、外だよ?風入る?ほら、風!!」
「ほら、ウーロン茶!さっぱりするよね?」
唇にウーロン茶をたらします。
でも・・反応があるはずもありません。
その間に、姉が親戚達を呼びます。
父の妹さん・・・5人兄妹で、妹さん一人になっちゃった・・
私はその人達に
「ごめんなさい、ごめんなさい、私が転院させて
しまったばかりに、早くに死なせてしまった!」
妹さんは「そんなこと無いよ。」と父の顔をみて
泣いていました。
私があまりにも父にすがりついて泣くものだから
親戚の一人が
「死人に涙をつけると成仏できないって言うけどね・・」
と言っていましたが、私は「悲しいときに泣いて何が悪い!」
と、聞き流しました。
ごめんなさい、私迷信とか信じない。
父が亡くなった時くらい、泣かせてちょうだい。
主治医と、看護師さんがやってきました。
瞳孔を見て、時計を見て・・「○時○分・・」(なんて言ったか忘れた)
死亡宣告をしました。
あれ?息を引き取った時間じゃないのね?
またしても号泣する私に主治医が「過呼吸起こすかも・・」と
看護師さんが「はい、ふー・・、ふー・・、」と、呼吸を整えるように
そばに付いてくれていました。
号泣しすぎて頭はフラフラ、手足がしびれていました。
主治医外へ出て行きます。
看護師さんは、
「お家に帰るとき、普段着ていた服でも持ってきて
いただければ、着替えさせますので」と、言ってくださいました。
父は暑がっていて、病院でのガウンを着ておらず、
上半身は前あきシャツの、おむつ姿でした。
酸素吸入もはずし・・点滴もはずします。
やっと自由になれたのは死んでからなんてーーー。
黄疸で全身黄色い体。
朝見た、ふとももあたりにある網目模様もはっきりと・・。
・・とはいえ、姉しか取りに帰る人はおらず・・
病院で浴衣を着せることもできるとのことで、
浴衣(多分購入なんだろうな?)を着せることにしました。
しかし・・私はあきらめられないことがあった。
父さんをお風呂に入れること!!
あれだけ父は「風呂にいく」と何度も何度も繰り返していたから。
本来、死んだ人をお風呂に入れることはまずありません。
さらに今日はお風呂の日ではない。
「お願いします!父さんをお風呂に入れてあげたいんです!」
看護師さんに頼むと・・・
「わかりました。今からご用意いたしますので、お待ち下さい。」
今度は感動の涙でずっと泣いていました。
やった!これで念願かなった!!
父をお風呂に入れるために、ストレッチャーに乗せ
私、母、姉でお風呂場に移動しました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません