父のこと~その16~

2018年8月9日

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※別ブログから記事を移動しました。 2011年のことで、覚書として載せておきます。

さて、大荷物を持って出た私は家出少女にしか見えません。
(いや・・少女は言い過ぎか)

こんな田舎で、大量の荷物を持って歩くと目立つ。
ふらふらと歩いて昔遊んでいた所・・・自転車で通った場所・・・
なつかしく思いながら歩いていきました。

焼き肉屋さんもお好み焼き屋さんも、まだ営業してて

「うわ、ホルモン食べたい!」
「豚玉そば入り食いたい!」

なんて心の中で思いながらまたふらふらと歩いて行きました。
食い気はあるけど、一人でお店に入れない・・!

しばらく歩くと漬け物工場とかあったり、20歳までは
その土地に居たのに、知らないお店や工場を発見したりで
面白かったです。

そして、慣れ親しんだ場所見えてきた。とある遊園地。

湖が見えたとたん、風がぶわーーーーーーっと吹いてきて
何か神がかったものを感じました。
聞いていたとおり、白鳥がいなくて寂しい湖でした。
(当時、鳥インフルエンザによりいなくなったと聞きました)

寝てないのもあって、どこかで休みたいと思いましたが、
トボトボ歩いて、帰省する前に地元に住むネット友達にSOSを!
とも思いましたが、家を出たのは私の勝手。

見ず知らずの私がいきなり連絡してもなぁと思ってがまんして歩きました。
泊まるところとか後々必要になるから迷惑かけるのはわかりきったこと。
自分、甘えんな!と喝をいれて歩きました。

私、いつもそうなんだけど「誰かが助けてくれるのでは?」なんて
甘いことばかり考えているので・・・
でも、こうやって出て行ったりとか後先考えない行動もいかがなものかと。

でも、しきたりとか、こうしなければいけないというのには
逆らってみたいお年頃(?)だし、行き当たりばったり当たって砕けろな
性格なので、どうにかなるもんです。

ずんずん歩いて、歩いて、とある高校が見えてきました。

「ああ、私ってば高校受験捨てたんだよな」とふと思い出しました。

行きたい高校を却下され、さらにランクの高い高校を
受けさせられたので、受験勉強を拒否しました。
(親が通った高校、姉はそこに合格したからお前もそこに行けと)
不合格を責められたのは良い思い出ですわ。
(ざまぁと思ったのは秘密)

「親戚達になんて言えばいいのよ~っ」っていう母親の言葉は
やっぱりあの人らしいですね。

親には殴られ蹴られて、姉とも口をきかず数年・・・

私の存在意味は?家族って何だ?

など、いろいろな事が思い出されてちょっとショボーン。

休みの日には(元)旦那がいて、子ども達がいて・・
私一人で出歩くなんて少ないのになんて寂しいんだろう。
なんて疲れるんだろう。

途中、お酒のディスカウントストアの自販機の前に
荷物を置いてジュースを飲みました。

一気飲みです。疲れて疲れて今まで水分も摂らなかったのでいきなり喉が
カラカラになっていました。
トイレもあまり行ってないし、大丈夫だったのだろうか。
まぁ、今、生きているから大丈夫なのでしょう。

トボトボと歩いて、帰省前にネット友達から銭湯があって
けっこう遅くまで営業しているとの情報を聞いていたので
携帯で現在位置を表示させて銭湯まで歩いていきました。

携帯便利だ!

私、新しいお店とか苦手でシステムとかわかってないから
「どうすればいいの?」ってなっちゃう。
だけど、そんなこと言ってられない!!

わからなかったら聞く!
変なことしたら「しょうがない」で行こうとがんばりました。
結局すんなり銭湯について、受付もできました。
案ずるより産むが易しですね。何事も。

荷物がたくさんだったので、大きめのロッカーを用意してもらって
久しぶりのお風呂!
頭を二度洗いしてー。体も綺麗に擦って~。

露天風呂やら電気風呂に何時間入っていたでしょう。

というのも、寝ていなかったので、
露天風呂→イスで仮眠→浅い風呂→うたた寝を繰り返していました。

このまま(元)旦那達が実家付近に来る夜中の3時まで
いられるかなと思いつつウトウトしていました。

途中、向かいのおばちゃんが父にそっくりで幻覚か?と思ったけど

「父も心配してるのか?でも女風呂に来なくても」
なんて考えながらウトウト。

お風呂から上がって、自販機でお茶を買い、
これは父に最期にあげたウーロン茶だと気づいてまたショボーン。

でも、このままゆっくりはできないのです。
看病ついでに千羽鶴を作るはずだったのに、折り紙ですら折れる余裕が無かった。
千羽鶴を棺に入れたい!
お茶を飲みながら千羽鶴をせっせと折っていました。

途中、おばあちゃん、おじいちゃんが「千羽鶴かい?」って
何人も話しかけてくるのはさすが田舎だわって思いました。

「父が今日、すい臓癌で亡くなって・・」と言うと
「自分も癌だよ」とか「○○さんが癌だ」とか、けっこう癌の方が多いのですよね。

「がんばってね」と声をかけてもらって、数時間後もまた「できた?」って
話しかけにこられました。気分転換にもありがたいことです。

しかし、店員は、本屋のごとくハタキでパタパタ・・じゃなく、
足元とか掃除をしに来るのです。何度も何度も。
食べているときも掃除はいかがなものかと。
ロッカーで着替えているときにも足もと掃除していくのもやだ。

日も暮れてきて、もう銭湯にいられるのも限界かなと思ったので、外に出ました。
隣に産婦人科があって、次男を出産した所でなつかしかったです。

またトボトボ歩き始めました。